是枝作品は好きでそれなりに見ている。でもこの作品は気にはなっていたものの、ある一つの理由で避けていた。その理由、すばり、“マエダマエダ”だ。
あの兄弟は俺からすると、PC(←パーフェクト・チャイルド)で、いやそんなもんではない、スーパーPCだ、いやいや、スーパーサイヤPCだ!とでも言いましょうか、まさに非の打ち所はなく(あるとしても恐らく小さくプリティなケツの穴ぐらいで)、その輝きが眩しすぎるので、どうしてもその光の当たらない影を探すかのごとく、彼らをまともに見る事が出来なかったわけであります。
しかしこの作品を見たという友人曰く「そこまでマエダマエダは気にならなかった。(この友人はどちらかというと光の当たる場所の住人なので、信じて良いのか迷ったが)」という事を聞き、まあ覚悟を決めて借りたわけです。
結果、さすがは是枝監督、面白かったのです。まあ正直、マエダマエダの兄貴の優等生っぷり(劇中でも彼は優等生役なのですが、私が言っているのは彼のナチュラル・ボーン・スーパー優等生感)は最後まで気になりましたが、その反面、弟がヤバい事になっていた。
弟は劇中でも異彩を放っていたというか、大塚寧々やオダギリジョーらも彼に食われてしまっているというか、劇中の彼はものすごくナチュラルで、どことなくドキュメンタリーを見ているような錯覚さえした。あの演技はド級のヤバさです。化けるだろうな、弟は。
それから、原田芳雄と橋爪功の競演も見応え十分だったし、樹木希林は言うまでもなく名バイプレーヤーで劇中を陽気にさせていた。というか、キャストが分厚い。
くるりの映画音楽は毎回良い。
あと、劇中の兄貴が通っている学校。長澤まさみと中村ゆりが先生って、あれは最強だろ!
※鹿児島ってあんなに灰が舞っているとは知らなかった。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 もう一度見たい!:★★★★☆ メディア:DVD 監督/脚本:是枝裕和 出演者:前田航基(まえだまえだ)、前田旺志郎(まえだまえだ)、オダギリジョー、夏川結衣、阿部寛、長澤まさみ、原田芳雄、大塚寧々、樹木希林、橋爪功、中村ゆり 撮影:山崎裕 音楽:くるり 公開:2011年 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。