「また来るわ。」
って俺がベッドの脇に立って、ちょっとかがみながら言ったら
「ん?(お前は)忙しいんだから、そんなに何回も来なくていいよ…。」
って親父はちょっと顔にシワを寄せて返事をした。
忙しくなんかねぇーよ。
19日日曜日、これが俺が憶えているとりあえず“最後”の会話。
今際の際なんてものは無かった。
もう、白い布がかぶさってた。
21日火曜日のお昼、容態が急変してそのまま逝ってしまったよ。
霊安室になんか連れていくなよ!
こんなのまるでイメージしていなかった。
同じテーブルで一緒に飯を食ったのはいつだったっけか?
忘れちゃったよ。
俺結局、何にもしてあがられなかったね…。
苦しかったのか?
「おーい親父!聞こえてるかー!」
メディア: