もう少し落ち着いて内容のある話をできたらと。人の話題にもうまく乗っかってサーフィンして、さらに話を膨らますことができたらと。高倉健とまでは言わないが、時にダンマリを決め込んで渋く人の話に耳をかたむけることができればと。なぜあのとき、なぜあんなこと。要らぬことを早口に喋りまくしたてる。場はさほど盛り上がらない。そんな雰囲気を切り抜けようと、誰も得をしない自虐ネタをリーサルウェポンよろしくぶち込む。おどけてみせる。このままどんどんと魔のスパイラルにのみ込まれてゆく。結果、道化師にもなれない。家路に向かう道のりは全て青くフィルターがかかり、人の目がいつもより気になり、iPhoneのボリュームを上げるも、ラブソングは凶器で、テンポの早い曲は馬鹿にする。ただ惨めな自己肯定ソングだけが耳から入り、身体に寄生する。家に着く頃には自分の体はワンサイズ小さくなり、ただただうな垂れて布団にもぐる。

とかなんとか言っちゃって、考えても考えても解決できるだけの賢い頭を持ち合わせてないので、諦めるほかないのは承知している。